予防薬の種類お間違えないように!~フィラリア予防の時期です~

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6月に入り暑い日も増えてきました。それに伴い、蚊の発生も増え本格的にフィラリア予防を始める時期となりました。予防が遅れて感染してしまうとペットの命を奪いかねない寄生虫感染症です。

今回の記事では、予防薬の種類についてご説明します。近年、予防薬のタイプが豊富になりいろいろ選択出来るようになりました。その反面、予防薬を取り違えて誤った使用をしてしまっているケースも多く見かけるようになりました。使用方法を間違えて予防が成立せず感染!ということにならないよう注意しましょう。

<1>予防薬で何を予防するの?
「予防薬って寄生虫の予防をするんでしょ」というのは半分正しいのですが、それだけでは不十分です。

まず寄生虫の種類。
(1)ノミ (2)マダニ (3)シラミ (4)ミミダニ
これらは体の外に付く寄生虫です。次に、
(5)回虫 (6)鈎虫 (7)鞭虫 といったお腹の中に寄生する虫。そして
(8)フィラリア は蚊に刺されて体内に侵入し、心臓に寄生する虫ですね。
それぞれの虫の特徴や寄生した場合の症状は次回以降の記事でお話しします。

予防薬によって上記の寄生虫の「どれに」効果があるのかを知っておく必要があります。例えば、最近人気があるのがオールインワンタイプといって一つでノミ、マダニ、回虫、鈎虫、鞭虫、フィラリアに対応している予防薬。でも、この予防薬に見た目がそっくりなのにノミ、マダニにしか対応していない予防薬もあるのです。なので種類を間違えるとフィラリア予防薬だと思って与えていたのに、実はノミ、マダニしか予防できていなかったということになりかねないので予防薬の種類をしっかり確認しておきましょう。

<2>食べるタイプ?付けるタイプ?予防薬の投与方法

<1>で「見た目」と言いましたが、予防薬の投与方法(使用方法)が二つ目のポイントになります。これらは大きく以下のタイプに分かれます。

 (1)食べる(飲ませる):チュアブルタイプ、錠剤タイプ
 (2)付ける(塗布する):スポットタイプ
 (3)注射薬

(1)のチュアブルとは薬を意識させずおやつ感覚であたえられるような半生のソフトタイプやクッキータイプの予防薬のことです。手軽に与えられるので好評です。ただおやつをあまり好まない子には錠剤を飲ませる方が向いていることもあります。
(2)は背中や首筋のあたりに液体を滴下する予防薬で、いろいろ試しても飲むのが難しい子に適しています。付け方も簡単なので、こちらも人気があります。
(3)の注射は1回の注射で1年間の予防が成立するので投与を忘れる心配が無くなりますが、効果はフィラリア予防のみとなります。

<3>どれとどれの組み合わせ?

さて<1>で寄生虫の種類、<2>で予防薬の投与方法による種類についてふれたところで、これらの組み合わせの話をしたいと思います。ここが一番のポイントですね。

まず肝心なのは「チュアブルタイプでフィラリアの予防効果があるものとないものがある。またスポットタイプでもフィラリアの予防効果があるものとないものがある」ということ。つまり先ほども触れた「チュアブルタイプだからフィラリア予防薬」とか「スポットタイプだからフィラリア予防薬」と決まってはいないので、その予防薬の特長を正確に把握して使用する必要があります。

例として当院で処方している予防薬の種類を挙げてみます。

予防薬①チュアブルタイプ:フィラリア、ノミ、マダニ、回虫、鈎虫、鞭虫
予防薬②チュアブルタイプ:ノミ、マダニ

予防薬③スポットタイプ:フィラリア、ノミ、ミミダニ
予防薬④スポットタイプ:フィラリア、ノミ、回虫、鈎虫
予防薬⑤スポットタイプ:ノミ、マダニ

このように種類を間違えてしまうとフィラリアの予防が出来なかったり、マダニの予防が出来なかったりという間違いが起きてしまいます。また、ノミ、マダニ予防薬の中には3か月に一回の投与という予防薬もありますから、投与間隔も注意する必要があります。

以前は予防薬の種類も限られていたのですが、現在は種類が豊富になって選択の幅が増えた分、このようにややこしくなってしまった感もあります。せっかく毎月忘れずに予防薬を与えていたのに予防効果が無かったために感染してしまったということにならぬよう、種類はしっかり確認しましょう。お手元の予防薬の効果がわからない時は予防薬をお持ちいただくか、製品名を教えていただければご説明いたします。


                           

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